2022年4月23日に起きた観光船の悲しい事故。世界遺産の地で起きた出来事にとても驚きました。
沈没した観光船は4月29日に自衛隊の掃海艇によって発見されました。掃海艇とは、水中兵器を発見し処理するための自衛隊艇ですが、このような形で一役買ったのはとても素晴らしいと思います。
亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、依然行方不明の方の早期発見を祈っています。また、事故の原因究明がなされ、ダメージを受けた知床観光および同業の観光船事業が早く操業できることを期待します。※2022年5月5日現在、同業他社もクルーズの運航を取りやめているようです。
今回のブログ記事では、知床半島北部オホーツク海側・ウトロ港~知床岬までの観光船で見られる資源を紹介します。
参考にしたのは、昭文社発行の「旅地図日本」というビジュアルマップです。この地図は写真やイラストが書き込まれており、とても勉強になる面白い地図です。こちらの22ページに知床のマップが掲載されています。

観光船でウトロ港を出発
事故により沈没した観光船が見つかったのは、知床半島北側にある「カシュニの滝」付近という事です。カシュニの滝は観光船が出港したウトロ港(ウトロ温泉で有名)から約20キロくらいの場所でしょうか。
知床岬までの沿岸には多くの自然観光資源があります。ウトロ港から距離が近い順に見ていきましょう。所要時間は運航会社により異なります。
ウトロ港(ウトロ温泉=知床温泉。多くのホテルや温泉宿が点在する)
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フレぺの滝(断崖から地下水が湧き出て少量の滝に。通称は乙女の涙)
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カムイワッカの滝(アイヌ語で神の水。上流のカムイワッカ湯の滝も有名。ここまで片道45分のクルーズ)
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ルシャ湾(アイヌ語で浜へ降りていく道。オホーツク海側では数少ない岩場海岸。観光船からヒグマが見られる。)
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たこ岩(海からタコが顔を出しているように見える。この辺りから先は知床岬コースになります)
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カシュニの滝(海に直接降り注ぐ滝は珍しい。この辺りは陸路では行くことが出来ず、観光船から見るのが一般的)
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観音岩(白い岩肌が魅力。陸路でもアプローチ可能だが上級者向け。)
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獅子岩(陸地から数メートルの地点にあり、水面に佇む獅子に見える岩)
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知床岬(船でしか行けない秘境。断崖ではオジロワシ、オオワシなどの野鳥が見られる。往復で約3時間45分のクルーズ)
知床は世界遺産登録の地
知床は2005年に世界遺産に登録され、知床半島の中央部から先端地域、海域にある資産で構成されています。上記で紹介したフレペの滝、カムイワッカの滝も含まれています(カシュニの滝は構成外)。
その他にも羅臼岳、羅臼湖、知床五湖、知床岬、カムイワッカ川など多くの構成資産があり、面積は71,000haです。
また、知床岬など半島の先端へは陸路がなく、船でしか行けない秘境となっています。
今回、観光船の事故でこの地域の観光事業(観光船他社、宿泊施設など)は予約のキャンセルなど大きなダメージを受けていると思いますが、この貴重な観光資源を今後も多くのお客さんに提供できるように、なんとか頑張って営業してほしいと思います。

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